病理医研究者のぼちぼち日記

病理医で研究者の著者が病理のことを中心にのんびりつづるブログ

病理領域の Journal の紹介

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 病理診断、病理の研究の分野の Journal を紹介します。

 

 これらの雑誌のコンテンツを毎月チェックすれば、病理分野のトレンドは大体つかめると思いますし、これらの Journal をチェックしていれば、臨床病理・研究病理の話題は大体押さえられると思います。

 

 

● Journal of Pathology

 ・1969年-

 ・ISSN 00223417, 10969896

 ・Impact factor: 6.253, H Index:164

 

 病理領域では一番ランクが高い状態の Journal です。臨床病理的な article と research article の両方がありますが、research よりです。細胞生物学・分子生物学的な病態・病因論の論文が多いですね。

 

 

● Modern Pathology

 ・1988年-

 ・ISSN 15300285, 08933952

 ・Impact factor: 6.655, H Index:133

 

  The United States & Canadian Academy of Pathology (USCAP) の公式雑誌。Nature の姉妹紙になってからすごく勢いがありますね。2年前までの古い記事はすべてフリーで読めるのもありがたいところです。

 雑誌の扱う範囲(Aims and scope といいますね)は、診断病理・研究病理のものですが、症例報告などはなく、分子生物学的な検討までされた臨床病理か研究系のものがほとんどとなっています。

 

 

● American Journal of Surgical Pathology

 ・1977年-

 ・ISSN 01475185

 ・Impact factor: 5.878, H Index:185

 

 AJSP と略しています。臨床病理をやる病理診断医にとっては、もっとも読むことが多い Journal かもしれません。外科病理良記ではおそらく一番。

 臨床病理的な記事、レビュー、症例報告なども診断に直結したものが多くなっています。The Arthur Purdy Stout Society of Surgical Pathologists と The Gastrointestinal Pathology Society の公式雑誌でもあります。

 新しい疾患概念や、鑑別診断についてはこの雑誌によい記事があることも多いですね。

 症例報告やシリーズケースではここを最高峰として狙って投稿することも多いかな。

 

 

● American Journal of Pathology

 ・1946年-

 ・ISSN 15252191, 00029440

 ・Impact factor: 4.069, H Index:250

 

 AJPと略しますね。すごくよい雑誌であることは間違いありませんが、AJSP や Modern pathology に抜かれた印象です。

American Society for Investigative Pathology の公式雑誌です。

 どちらかというと、分子生物学的・細胞生物学的な病態・病因に関する論文が多く、動物モデルやバイオマーカーなどの話も多いですが、症例報告などはほぼありません。

 

 

 ・1977年-

 ・ISSN 03090167, 13652559

 ・Impact factor: 3.267, H Index:108

 

 実務的、外科病理、診断病理むけの Journal で、病理組織学、病理診断技術、レビュー、症例報告などがメインです。 British Division of the International Academy of Pathology の公式雑誌。

 診断の実務に根差した記事、レビューが読みやすいので実務に役立つことは多いです。

 症例報告で現実的に狙うならこの雑誌というところもありますね。

 

 

 ・1973年-

 ・ISSN 00039985

 ・Impact factor: 3.658, H Index:103

 

 APLMと略しています。CAP の公式雑誌です。すべてフリーなのが素晴らしい。

 非常に実務的な内容が多く、診断病理・臨床病理の記事がほとんどです。

 読みやすく勉強になりますが、中でも RESIDENT SHORT REVIEWS シリーズは非常に有用で、疾患ごとにまとめらたレビューは教科書のように使えます。抄読会にもいいかもしれないですね。

 免疫染色関連の話題が非常に多く、マーカーについて調べたり、マーカー関係の論文の投稿をしたりするのにもよいと思われます。

 

 

 ・1970年-

 ・ISSN 00468177

 ・Impact factor: 3.125, H Index:127

 

 臨床病理の雑誌であり、題名通りヒトの病理についてがテーマです。オープンアクセスの記事も多いのが特徴。実務的な内容が多く、ケースシリーズなども豊富です。

 

 

 ・断続的に 1947年-

 ・ISSN 09456317

 ・Impact factor: 2.936, H Index:89

 

 大病理医 Virchow の名前を冠した雑誌で、The Official Journal of the European Society of Pathology の公式雑誌です。

 臨床病理的な内容の記事が多いです。

 

 

 

 

 ※ この記事は随時更新します。