免疫学についていくつか記事を書きましたが、勉強するのによい本はなんですかね、という質問を何回かいただきました。
ちょっと本格的に免疫学を知ってみたいな、という方向けにお勧めの本を紹介してみたいと思います。
1. Janeway's Immunobiology

- 作者: Kenneth Murphy,Casey Weaver
- 出版社/メーカー: Garland Science
- 発売日: 2016/03/31
- メディア: ペーパーバック
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【著者】Kenneth Murphy, Casey Weaver
【出版社】Garland Science
【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
まずおすすめなのはこの Janeway's の Immunobiology です。2016年出版、とても分かりやすい図版と丁寧な項目立てでよい教科書です。
かなり新しい事項についても書かれていて、初めてしっかりと免疫学を勉強するのにはとてもよい一冊であることは間違いありません。医学部生や研究で免疫を扱う人の入門書として一番かなと思います。
ただし、英語です。そこで、この翻訳本を次に紹介します。
2. 免疫生物学 (Janeway's Immunobiology の翻訳本)

- 作者: ケニスマーフィ,マークウォルポート,ポールトラバース,Kenneth Murphy,Mark Walport,Paul Travers,笹月健彦
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2010/04
- メディア: 大型本
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【書名】免疫生物学
【著者】ケニス マーフィ、マーク ウォルポート、ポール トラバース
【出版社】南江堂
1.で紹介した本の翻訳本。ただし版が一つまえのものであり、すでに10年以上たっています。よって、内容が最新でなく、この本の後にかなり概念が変わったところもあります。
しかしながら、日本語の本でしっかり勉強を始めるのであれば、よい一冊です。この本から始めるのも 1. の英語がとっつきにくければよいと思います。
3. 分子細胞免疫学
【書名】分子細胞免疫学 原著第9版 アバス–リックマン–ピレ
かなりしっかりした生物学から押さえてあり詳細な免疫学の一冊。本格的に勉強するのであればこの本か、この本の原本である Cellular and Molecular Immunology 9th Edition はお勧めできます。
とにかく、基本的な免疫学の基礎から、最新の免疫チェックポイント機構の話まで網羅されており、この本を読んでおけば免疫学の基本部分の取りこぼしはないでしょう。
やる気に溢れている方はここから始めるのもかなりいいと思います。
4. 休み時間の免疫学 第3版
【著者】齋藤紀先
【出版社】講談社
【リンク】Amazon 楽天ブックス 楽天kobo 7net
honto e-hon 紀伊國屋書店 ebookjapan 図書館
1.~3. はいずれも難しすぎる…分子生物学の基礎ができてないからきつい、という方は、まず概念を簡単につかまえるのに、この一冊を入門のための入門本としておすすめしておきたいと思います。読み物としてまずはこの本で馴染んで、世界観の入口をつかむのはいいかもしれません。ただし、この本のレベルはあくまでも基礎の基礎なので、この後の勉強には、上で紹介した1.~3.のいずれかに進むことが大事ですね。
私がこのブログや noteにも書き出したマガジン(▶ここ) でも、この本より優しく、この本より先へ、この本より最新のことまで、はひとつの目標なんですけどね。読み物としてこの本は優れていますね、本当に。
さて、4冊紹介いたしました。
免疫学を学ぶには、分子生物学、生化学、微生物学も同時に学んでおかねばなりません。それらの本はまた紹介していきたいと思います。
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