病理医研究者のぼちぼち日記

病理医で研究者の著者が病理のことを中心にのんびりつづるブログ

紅茶でインフルエンザの予防はできません!

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 メインブログからの転載です。

 

 紅茶を飲む、紅茶でうがいをする、紅茶で手を洗うなどのことでインフルエンザの感染・感染拡大が防げるというプロモーションが盛んになされているようです。

 

Fig.1 ツイッター上にアップされていたテレビの画面

 

 このキャンペーンは「三井農林」(日東紅茶ですね) という会社と、「バイオメディカル研究所 中山幹男 特別研究員」が盛んにプロモーションをされているようです。

 

 本記事では「紅茶によりインフルエンザの感染・感染拡大が防げる」と言い切るだけの明確な証拠(エビデンス)は足りておらず、これらのプロモーションはやりすぎであり、モラルハザードである、ということを記します。

 

 紅茶・緑茶に含まれる成分が、インフルエンザを含むウイルス粒子の感染性を奪うこと、その他の抗菌作用や免疫細胞に対する作用があることは、多数の研究がありますが、それらを総合しての感染予防効果を証明した研究や、感染拡大を防止する効果を疫学的に示した研究ははっきりもうしあげると、まだない、ということを述べます。

 

 ちなみに余談ですが、本ブログ管理人は、紅茶党で、紅茶大好きです。

 

 

 

どういったプロモーションがなされているか

 

 連続してテレビの「情報番組内」において紅茶によりインフルエンザの感染力を奪い、感染拡大防止に期待ができると情報が流されています。

 ZIP!、ミヤネ屋、グッディ! 、AbemaTVのニュースなどの番組でながれたようです。

 

 

Fig.2 AbemaTV でも

 

 

 また、特定の医師や、タレントが紅茶でインフルエンザ予防ができると、テレビ番組、サイト、ツイッター、インスタグラムなどでも情報を発信しています。

 また、ブログや雑誌のコラムなどでもすでに情報発信があるようです。

 

 オンライン雑誌 @DIME の記事では、石原新菜医師が確実な情報として発信しています(取材・文は松尾直俊名義)。

 

 さらに、これらが伝播され、SNS 上では「紅茶を飲めばインフルエンザが予防できる」という形で情報が拡がっています。

 

 さて、これらの情報源となっているのは、たどっていくと、次に示す三井農林の情報と、中山幹男さんというバイオメディカル研究所特別研究員による情報提供によるもののようです。そして、石原新菜医師がかなりアピールをしているようです。

 

 

 

三井農林のホームページ「紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止力の研究について」

 

 

 三井農林の「紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止力の研究について」という調査のページにおいてこれらのプロモーションのもととなっている情報が発信されています。

 さらに、昨年10月付で、発表資料も発信しています ▶ PDF

 

 まずこのページの検討をしていきたいと思います。

 画像と文は上記ページより引用します (2019年1月23日 アクセス)。

 

 

 

 

 

 「① 紅茶はインフルエンザウイルスを撃退する力がすごい!」と題された最初の章では上記グラフが示されています。

 

 このグラフは、「California/07/09(H1N1)pdm09」株というインフルエンザA のウイルス株の溶液を「プラーク法」で評価したものとのこと(@DIME記事中に紫色のプレートでの実験画像がありました)。

 

 プラーク法はウイルスを含む培養液をなんらかの培養細胞にかけると、感染した細胞が死んで「プラーク」という抜けた部分の斑点ができ、その数を数えて計測することで感染率を求める方法です。この方法はウイルスの感染実験ではよくつかわれているものであり、実験系の選択としては妥当です。

 

 さて、この実験では、上記ウイルスと紅茶やその他の成分を混ぜた液をつくってしばらく反応させたのちに、培養細胞にかけて、ウイルスがどの程度感染力があるかを検討しています。紅茶、特に熱湯で出した紅茶によりウイルスの感染力が著しく下がっていることがわかります。

 

 この結果について疑義があるとすれば、まず培養細胞の種類が知りたいところですが、コントロールとしての紅茶以外の成分では十分に感染が成立しているようであり、まぁ許容できます。反応条件としての温度も知りたいところですが、これもコントロールでウイルスは死んでおらず、室温程度と考えていいのでしょう。

 

 この結果は純粋に、紅茶の液に浸すことによりインフルエンザAウイルスの感染性を失わせることができる、という結果です。ここまでは問題ないですね。

 

 次に出てくる「② 紅茶は15秒で効果あり!」でも同様の方法で、紅茶とコントロールに浸した時間により感染率がどう変わるかを見ていますね。紅茶は15秒浸せばウイルス粒子の感染率を失わさせられることがみられます(下図)。これも問題ないですね。

 

 

 

 さて、その次には動物実験のデータがでています。これは、上2つの実験と同様に紅茶液で不活性化させたインフルエンザウイルス粒子を、マウスの鼻から感染させてどのぐらいの動物が死ぬかを見ているものです。

 

 

 

 普通はカプランマイヤー曲線というものを使いますが、まぁ解釈できるので問題ありません。紅茶で不活性化したウイルスはマウスを殺さない、まぁ常識的に考えて感染していない、と解釈できるデータです。これも問題ないですね。

 

 これが、ここまで及びこのデータの原典なんですね。一通りこのホームページを評価したのち、次の項目でこの論文を読んでみましょう。なのでまずは続けます。

 

 

「④ 紅茶の飲用頻度が高いほど、インフルエンザ発病率が低い!」の項目です。

 

 

2018年6月に紅茶の飲用習慣とインフルエンザの発病率について、社内アンケート調査を実施しました。先ず、ワクチン接種によるインフルエンザ発病率への影響を検証したところ、ワクチンを接種しなかった人に比べ、ワクチンを接種した人の発病率が57.9%低いことが分かりました。これは、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの疫学研究の報告※と概ね一致したことから、ワクチン接種によりインフルエンザの発病や重症化を抑制する一定の効果が現れていたと考えられました。

 

 

 とのことまずは、社内という限定、アンケートという方法、自己申告、あと気になるのは倫理審査などですが…とりあえずまず、ワクチンは効くようですとの宣言…これはいいですね。

 

 で、ここでワクチンを打っていない人に限定して調査をしたようです。

 

 

ワクチンを接種しなかった人369名を対象に、冬季の紅茶の飲用頻度とインフルエンザの発病率の関係を評価したところ、紅茶の飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザの発病率が低くなる傾向が見られました。

 

 

 

 

 このデータについては、まず統計処理をしないといけません。あえてしていないですね、形としては傾向があるように見えますね。

 

 ほぼ毎日 vs. ほとんど飲まない、について Fisher's exact test をしてみますと(ここでやりました http://www.kisnet.or.jp/nappa/software/star/freq/2x2.htm#)、

 

   両側検定  :  p=0.1414   ns (.10<p)

   片側検定  :  p=0.0837   +  (.05<p<.10)

 

 ということになりますね、p 値だけ抜き出しましたが、有意差があるとは言えないですね(一般的に有意というには p 値が 0.05 より小さいとすることが多いんですね)。

 つまり「差がある」とは言えないです

 

 この項目は、調査方法も問題が含まれますし、結果も差がありません。

 なので、紅茶については意味があるというデータではないですね。

 

 

 「⑤ 紅茶は他の感染対策に比べても、簡単で効果的である可能性。」の項目はさらにこのアンケートを用いていますが、問題点は共通で、調査方法と統計検定がないこと。

 さらに、ワクチン接種の有無で最初に調査対象を分けているにも関わらず、ワクチン接種との比較をしています。これは本来は母集団を同じくして多変量解析をしないとだめです。まぁ全部だめです

 

 

 

 

 

 

 その次の項目「⑥ 紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスのスパイクに付着!無力化します」では、中山幹男 達の論文 Antiviral Research 21, 289-299. の引用で、 紅茶のなかのポリフェノールである「テアフラビン」溶液で処理したインフルエンザウイルスは、赤血球凝集能を奪う、つまり表面のタンパク質 (スパイクと言っていますね) を阻害しているといっています。

 

 これはいいのですが、ここまででは感染性との関連は示されていません

 

 原典の論文にきますと、MDCK というイヌの細胞では感染性を抑えることが示されています。ヒトのデータではなく、試験管内(in vitro)までのデータですね。

 

 その次の「⑦ 冬のインフルエンザウイルス対策に、紅茶の上手な取り入れ方!」はあまり意味がなく、紅茶でウイルスの不活性化ができるというデータの繰り返しです。

 

 

 「⑧ 2杯目、3杯目の薄い紅茶も有効活用。紅茶うがい!」の二つ目のグラフです。

 

 

 

 これは統計処理がついていそうですね。が、方法を読んでみましょう。

 

同一職場域の社会人297人を対象に、紅茶エキス(通常飲用濃度、無糖)を用いたうがいによるインフルエンザ感染抑制効果を調査しました。紅茶うがい群は、朝8時と夕方17時の2回、100mlの紅茶でうがいをし、対照群では何もしませんでした。実施期間は平成4年10月18日から平成5年3月17日までの5ヶ月間とし、実施期間中の両群の交流は認められていました。感染有無の判定は、実験開始時および終了時に採取したペア血清を用いて赤血球凝集抑制反応を行い、抗体価が4倍以上に上昇したものを感染ありと判定しました。

出典:岩田雅史ら(1997)感染症学会誌71(6)487-494.

 

 この出典にもありますが、コントロール群は「何もしませんでした」群です。

 これはまずいですね。水でのうがいと比較の方がよいでしょう。紅茶成分が効いているのかどうかわかりません。水であっても、プラセボ効果を除くためには少なくとも無作為盲見化といって、紅茶の特定の成分だけを除いた群とランダムに割り付けての比較が本来望まれます。

 

 ちなみにこの出典論文もここまでのデータの焼き直しが多く、かつ、三井農林の社員が著者に入っていますね。

 

 

 さて、ながながと三井農林のホームページを見てきました。

 まとめますと、

 

  ● 紅茶抽出液 に漬け込んで処理した インフルエンザAウイルスは

   培養細胞とマウスに対して感染性を失う。

  ● 紅茶に含まれるテアフラビンはインフルエンザAウイルスの

   感染力を試験管内の実験では低下させている。

  ● 紅茶を飲んだ群とのんでいない群でのインフルエンザ感染に

   差があるというデータはない。

  ● 紅茶によるうがいの検討・実験は不適切である。

 

 ということになります。ヒトへの感染予防・拡大防止効果のデータはないのです。

 そして、

  

  ● 研究は 中山幹男 研究員と三井農林によるもののみで構成されている

 

 という点もみられますね。

 

 

 

 

論文「紅茶エキスによるインフルエンザウイルス感染性の阻止」の考察より

 

 

 さて、上の項目内ででてきた「紅茶エキスによるインフルエンザウイルス感染性の阻 止」という論文ですが、論文の体裁をとっていますので、著者自身の考察を抜き出してみましょう。

 

 

日常飲用する紅茶濃度は約2~3%である.この濃度でインフルエンザウイルス感染性を効率よく,しかも即時に阻止することが明らかになった.しかしインフルエンザウイルスが一旦細胞内に侵入し,感染が成立した後では紅茶エキスの効果はみられない.インフルエンザ流行期 に紅茶エキスで咽頭部 をうがいすれば,口腔 内のフリーのウイルスの感染性 を即時に阻止す る可能性があると思われる.

 

 この考察で述べられているように、まず紅茶抽出液に浸せばインフルエンザウイルスは感染性を失うことはみられるのでしょう。

 

 しかし、感染してしまうと紅茶エキスに効果はないのですね。なので彼らも「口腔内のフリーのウイルス」の感染性、と述べています。

 

 さて、どう解釈するか。インフルエンザウイルスは口から入ってくるのか…鼻からも入りますね。しかも口腔内やうがいでとどく中・下咽頭だけ?いいえ、上咽頭や鼻粘膜にもつきますね…しかも感染は数秒から数分で細胞にウイルスがエントリーすることが知られています。…四六時中紅茶液を口腔内と鼻腔内にためておけば感染が防げそうではありませんか!

 

 おそらく窒息死しますが。

 

 

 

 

実際に「茶などの成分とウイルスについて」検討されている論文

 

 紅茶も緑茶もおなじ茶の木の葉の抽出物であり、発酵の有無には差がありますが、たくさんの成分が含まれています。これらは実際に嗜好品としての味や風味に影響するだけでなく、生理活性のある物質を含んでいるのは事実です。

 

 これら、茶の成分とウイルスに関する研究は多数ありますので、いくつか紹介しておきたいと思います。

 

 

 … これは上記で引用されていた論文ですね。これ自体は実験としてはいいでしょうね。

 … ちがうグループからのテアフラビンのインフルエンザに対する効果の報告。

 … 緑茶の成分が Zikaウイルスの細胞への感染を防ぐという報告。

 … カテキンがインフルエンザに効くかという総説。

 … 臨床的に茶カテキンがインフルエンザや風邪に効くかという総説。

 … これはネギの成分がインフルエンザAに効くという報告。

 

 

 これらをよんで結論をいいますと、in vitro すなわち試験管内レベルにおいては、ウイルスを不活性化させることができ、そのように完全に処理した後のウイルス粒子では動物に感染はしない、しかし、ヒトで実際に感染を抑制したり予防するという証拠はまだ明らかではない、ということがわかります。

 

 

 

 

これらの研究等を実際のインフルエンザ感染に対してどう解釈・適用するか

 

 これは薬の開発についても同じことがいえるのですが、まずは何らかの疾患やウイルスなどに「効く」候補の化合物を探します。

 

 薬の場合には、もとのそれらが効くことをいろいろな方法で確認しながら開発していきます。

 

 まずは in vitro といって試験管内、in vivo で動物、そしてヒトでの治験です。

 その後、承認されれば薬となり、市場に出回ったあとで疫学調査がなされる…そういう流れがあるんですね。

 

 そして、莫大な数の候補化合物が調べられ、脱落していくのが現実です。

 試験管内で効いても、動物では意味がない。動物で効いてもヒトでは意味がない。ヒトに効いたようでも、実は試験をすると効果が十分ではない…などなど。

 

 ですから、なんらかの成分が、有効である、というのはとてもたくさんの積み重ねられた証拠と、詳細な検討が重要なのです。

 

 この紅茶の場合どうでしょう。全然データがたりません。

 しかもパイロットデータ、つまり予備実験としても、ヒトのインフルエンザウイルスが口腔内以外からも感染することを考慮したデータなどを用意していません。

 これはいけません。

 

 今の時点で、紅茶を飲む/紅茶でうがいするとインフルエンザを予防できる/感染拡大を防止できる、は言い過ぎです。だめです。

 これは、一つの仮説にすぎません。検証が足りなすぎます。

 

 紅茶は嗜好品としてたしなみましょう。そして研究の続報は待ってもいいでしょうが、これを真に受けて効果を期待しすぎてはいけません。 

 

 

 

こういった健康領域のプロモーションにどう向き合うべきか

 

 

 こういった健康関連については十分に証明されていないにも関わらず、まるで効果があるかのような情報発信が多数なされます。

 

 上記@DIMEの記事ではこんなことも書かれています。

 

温かい紅茶のほうが、より効果が高いということも分かっている。ただ、ミルクティーにしてしまうと、せっかくの紅茶ポリフェノールがミルクタンパクに取り込まれてしまうために、ウイルス対策として機能しなくなってしまう。最も効果的な飲み方は、温かいストレートティーだ

 

 これにいたってはデータも根拠も示されておらず「分かっています」で済まされているだけです。しかもウイルス対策としての機能もそもそも上記の通りです…。

 

 トクホについてもいずれ述べますが、明確に効く、と言い切るには膨大な研究が必要です。健康関連、医療関連の情報というのは真偽の判定も難しいのですが、実際、どこまでいえれば確実か、というのはとても難しいのです。

 

 そして、多くの場合、そういった正当な研究の結果は「つまらなく」「センセーショナルでもない」もので、淡々と承認された薬などの形で出てきます。

 

 受け手がわとして重要なのは、こういった証拠・検討不十分な情報を平気でながすメディアや口コミに気をつけなければならないということです。

 

 情報の拡散も早く、ツイッターで「紅茶+インフル」で調べるとこんなに出てきます。ブログやサイトもたくさんあります「紅茶でインフルエンザ対策!?」「驚愕報告!インフルエンザウイルスを15秒で無力化する「紅茶」の力」「「紅茶でうがい」を、わすれずに。」「【11月は紅茶月】家族みんなで紅茶を飲もう!~紅茶はインフルエンザウイルスの感染力を奪う~」…まるでこれでは真実なのではと思ってしまう数のサイトですが、いずれも元となる情報は一緒ですね…。

 

 ニュースサイトでもこんな記事がでます「インフルエンザ予防に「紅茶」がよい? 「さっそく飲んでます」と話題に、医師に聞く」記事のなかで「紅茶を飲むとインフルエンザ予防になる、というのは本当でしょうか」という問いに「医師」が「本当です」と解答していますね。いたって短絡的であり、上記のように検討してみると問題があります。記事自体も問題です。

 

インフルエンザ大流行中!『紅茶』に『フローリング』…感染対策で“効果”アピールする企業も」もう何が言いたいのかわからない記事です。こういうレベルの情報発信をしてしまうと、結局国民はなにをすればいいのかわからないではないでしょうか。

 

インフルエンザ予防に紅茶が効果的 三井農林の研究プロジェクトにより判明」…完全にプロモーションにのりのりのニュースというか…宣伝記事ですね。

 

 なかなか…これは強烈です。

 

 昨年末にメインブログに「空間除菌・環境除菌などをうたう製品について」という記事を書きました。

 自分の記事ながら再度言いたいので引用します。

 

 

リテラシーと大企業にもみられるモラルハザード

 

 どのような製品や方法が健康によいか、病気にならない暮らしにつながるか、そういった情報は、CMや新聞・雑誌・テレビの情報をうのみにしてはいけません。公的な情報にあたるようにしましょう。また、家庭の医学ではなく、医学書をすこし読んでみましょう。その他、リテラシーの重要性についてはこのブログでも書いていきます。また、この製品群にみられるように大手の会社、著名な会社であってもこういった製品を販売し続けている現状があります。これはモラルの問題ですが、商売なので、とにかく消費者が賢くなることが重要です。売らんかな、の精神は、人の健康や幸せを上回ることがあるんですね。情けなく悲しい気持ちになりますが、商売なので、と割り切って冷静に見ましょう。巷には一線を越えたものがたくさんあります。グルコサミン、コラーゲン、そんなものは分解消化されてから体に入りますので、肉でも食ったほうがいいわけです。そういったものについては完全にモラルが崩壊しているのでどうしようもないんですけれどもね…。

 

 

 まずは公の情報、すなわち、官公庁(厚生労働省や国立感染症研究所、保健所)、日本医学会分科会に指定されている学会の情報などを確認してみてください。

 簡単に防げる、などというのは眉唾なのです。

 

 日本の報道・娯楽番組だけでなく、ジャーナリズムも問題です。なんでも海外と比べるのは好きではないですが、アメリカなどに行くと、研究者としての基礎を磨き、博士号をとったような人がジャーナリズムで執筆しています。彼ら自身が調べ、学び、文献を紐解き、専門家にインタビューして情報発信をしています。

 

 日本ではどうでしょう。素人ライターが welq のようなことをし、新聞社やメディアであっても、学部卒レベルの素人記者が、ストーリーありき、流行ありき、乗り遅れまいありき、そしてタイムリーであったりセンセーショナルであったりすることありき、でかつ、プレスリリースに乗っかったかたちでの記事ばかり書いていませんでしょうか。

 

 同じメディア内でなされたいい加減な情報発信に突っ込みをいれたり、訂正を促したり、間違えていれば報道して明らかにすることができるでしょうか。

 

 科学とは、情報を共有して反駁可能性を担保しながらディスカッションし、批判的検討を重ねてなされている営為です。これをしっかり専門家内でやり、そしてしっかり解釈して世間に情報を出すことが大事です。

 

 一部を切り取ったり、科学者としての態度ではなく商売人の態度が入ってしまうと容易にモラルが崩壊します。

 

 こういったことをもっと考えないといけないように思いますね。

 

 

 

 

同様の検討記事が

 

 

 五本木クリニックの院長ブログにありました。

▶ インフルエンザ大流行!!テレビではポンコツ医学情報満載のニュース番組が・・・。

 … こちらの記事ではこの記事を紹介していただいていました!

 

 またツイッターからのまとめ記事も「市況かぶ全力2階建」にありました

▶ 日東紅茶の三井農林、面白グラフと無理矢理統計で「インフルエンザウイルス対策には紅茶」と宣伝

 

 

インフルエンザ対策

 

 

 民間療法はもう全くだめです。乳酸菌などもひろがっています。これについてはまた別途お話ししたいと思いますが、上記 紅茶を激推ししている@DIMEの記事でも、

 

 

インフルエンザ対策として広まっている乳酸菌は、意外とウイルスには直接効果がないという結果が出た

 

と言い切られる始末…。

 

 インフルエンザ対策はワクチンと、発病したら外出しない、この二つです。

 リスクを下げる可能性がある行為としては、しっかりした手洗いとうがい、マスクの着用、アルコールによる消毒もあげられます。

 

 最後に、インフルエンザについてはすばらしい note 情報がありますので紹介した記事を以前かきました「インフルエンザシーズン到来、ぜひ読んでもらいたい note を紹介します」▶ 紹介している note 

 基本的な情報をしっかり入手して、躍らせられず、健康を守りましょう。