病理医研究者のぼちぼち日記

病理医で研究者の著者が病理のことを中心にのんびりつづるブログ

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は年齢が上がるにつれて発症率があがる、血液のがんの一種です。決して発症率が高いわけではないのですが、高齢化に伴い増えています。多発性骨髄腫について簡単に解説したいと思います。 著名人で、岸博幸さんや佐野史郎さんが、罹患されている…

書籍紹介『リンパ組織(非腫瘍性疾患病理アトラス)』

文光堂が、今、力を入れている非腫瘍性疾患病理アトラスシリーズの1冊を紹介します。リンパ組織です。 リンパ組織 (非腫瘍性疾患病理アトラス) 文光堂 Amazon 非腫瘍性疾患に関するリンパ組織分野の病理を扱った唯一の和書 この企画シリーズはとてもよくて、…

水痘・帯状疱疹とそのワクチンについて

水痘・帯状疱疹と、そのワクチンについて

『The Cell』 の紹介とその読み方について

分子細胞生物学を学ぶ人のための、王道の一冊をあえて紹介します。 The Cell 将来生物学をやっていきたい人は大学の1~2年程度の初期にこの本を読み通しておくことを、どこまでも強く推奨いたします。とにかく基礎として一番の教科書であると考えています。い…

海外留学の参考になるおすすめの書籍

アメリカでポスドクをしていました。 海外へ研究 (留学) …いやーすごいですね、とか言われるんですが、すごくないんです。医学系やバイオの研究者にとって誰でも簡単にできる、とは言いません。しかし、決して特別なことではないんです。 私もひょんなことか…

献血の医師バイトについて

貧乏医でした。このブログでも書いていますがとにかく大学院生時代はまったくお金がありませんでした。研究だけしていたようなものなので収入がなかったんですね…。 研修医、後期研修医でためたお金は大学院生と助教をしている間にほぼなくなり(5年間の年収…

リ・フラウメニ症候群について

ドラマ「ラジエーションハウス」の第2話(フジテレビ)を観ました。 テーマはリ・フラウメニ (Li-Fraumeni) 症候群という症候群でした。 ちょっと簡単に解説してみたいと思います。 まずは情報のあるところから 日本語の情報は GRJと難病情報センターがとても…

シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)について

ドラマ「インハンド」の第一話(TBS あらすじ) が放送されましたね。 このドラマ、感染症が題材なので毎回ちょっとテーマについて解説してみたいなぁと思いました。原作は朱戸アオ氏の漫画「ネメシスの杖」「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」「インハンド…

ウェステルマン肺吸虫症について

ラジエーションハウスのドラマ第一回を見ました。 豪華な出演者、ノリもよく医療ドラマとしても楽しめそうな雰囲気ですね。 早速以下、ネタバレありで今日は出てきたことを一つ解説してみます。 第一回放送では、頭の中の撮影で画像がうまく得られない、なぜ…

とてもおとくな Amazon Prime Student - 本を安く買える!

Amazon の回し者ではありませんが、実際かなり依存しています。 今日はそんな Amazon のサービスの中でも異様にお得な Prime student を紹介しておきたいと思います。 Prime student Prime student は、Amazon の提供している学生のためのお得なプログラムで…

ハゲタカジャーナル(悪徳雑誌)の見分け方、査読依頼、インパクトファクター…

ハゲタカジャーナル(悪徳雑誌)について何度か書いてきましたが、今回はそういったジャーナルの見分け方などについて書きたいと思います。 ハゲタカジャーナルは、日本医学会は悪徳雑誌、Wikipedia では捕食出版としていますね。この記事ではあまり考えずに言…

ハゲタカジャーナルへ(悪徳雑誌)の投稿を控えるよう日本医学会が注意喚起

ハゲタカジャーナル (悪徳雑誌) への投稿を控えるよう日本医学会が注意喚起 以前にこのブログでも「ハゲタカジャーナル」について紹介しました。 いわゆるハゲタカジャーナルは粗悪学術誌のことで、法外なお金を取るだけでなく、その査読などもいい加減で、…

特に医師にすすめたい書類の電子化の話

医師国家試験合格発表もあり、初期研修を始められる先生がたくさんいると思います。さまざまな心得やおすすめのことがありますが、今日は一点、事務仕事を簡単かつ合理的にしてくれるシンプルな方法をまとめてみたいと思います。 電子化による書類の整理と管…

子宮頸癌ワクチン+検診で子宮頸癌を撲滅できる可能性を示唆する論文が出ました

ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVV) は子宮頸癌をひきおこす HPV に対するワクチンです。 新しい論文がでていました The Lancet Oncology に、HPVV の接種率を上げ、検診をしっかり行うことで、2059年までに高所得国(人間開発指数が高い国)において子宮頸…

ビジュアルにみられる集団免疫のシミュレーションサイト

集団免疫 (Herd Immunity) という概念があります。 これは、個々人をワクチンで守るだけでなく、集団がワクチンを受けていることで、集団全体を守るというもの。 とくに、ワクチンを医学的な理由で打つことができない場合(免疫の異常や、新生児など)そうい…