病理医研究者のぼちぼち日記

病理医で研究者の著者が病理のことを中心にのんびりつづるブログ

Gleason Grade の診断を学ぶならこの一冊!!

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病理診断での前立腺癌のグレード診断、に関する書籍を一冊紹介いたします。

 

出版社】 LWW 【版】1 (2012/7/24) 【言語】英語

 ISBN1451172826, 978-1451172829 
The Gleason Grading System: A Complete Guide for Pathologist and Clinicians

The Gleason Grading System: A Complete Guide for Pathologist and Clinicians

 

 

 病理診断において、前立腺癌は癌であるか否かの診断と、ステージング、グレーディングを行います。

 「Gleason grading system」は前立腺癌の形態をGleason pattern 1~5 に分類することが基本となりますが、どういう形態がその分類に当てはまるかを判別する力は、知識として概念を確実に頭にいれることと、多くの組織像をみてトレーニングすることとの両方を行わないとなかなか身につきません。

 総評として、病理診断医必携の良書です。解説よし。何よりアトラスが多く、わかりやすく、美しい。読んでいくとConsensusの解釈の仕方がよくわかり、実践と組み合わせれば力になること間違いないと思います。それほど厚くなく、読み通すことも不可能ではないのもよいところ。

 

 前立腺癌のグレーディングシステムは「Gleason grading system(Wiki英語版)と呼ばれていますが、はじめて提唱されてから、少しずつアップデートがなされています。 本書籍は2005 The International Society of Urological Pathology (ISUP; Webページ consensus に基づく「Gleason grading system」を解説したアトラスです。

 

 

 本書籍は、豊富な図版で、pattern をたくさん見ることができ、それぞれの注目ポイントやピットフォール、誤解しやすいところなどまで書かれています。

 アトラスひとつひとつが、練習問題のようになっていて、レジェンドに、これは4+4とか、これは4+3とか理解しながら絵を眺められるのがよいところ。

 

日本の前立腺癌取扱い規約も国際的な指標に準拠しておりますし、ISUP consensus による Gleason scoring の理解には一番よい書籍と思っています。

 

 おすすめ。★★★★★(5/5)